会社の車は会社破産でどうなるのか

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年06月24日

1 会社の車が会社破産でどうなるかは、名義によって異なる

 会社をたたむときに、会社で使っていた車がどうなるかは、代表者の皆さまの今後の生活にも大きく影響します。

 お住いの地域で公共交通機関が少なかったり、お身体が不自由な方の場合、車がないと今後の仕事や生活が非常に難しくなることもあります。

 会社の車がどうなるかは、名義がどうなっているかで大きく異なりますので、まず名義による分類をしてみます。

2 リース車の場合

 リースの車は、リース会社が所有していますので、基本的にリース会社に返還しなければなりません。

 会社が破産する場合、基本的にリース料だけ約束どおり返済することはできないので、破産管財人という裁判所が選ぶ第三者的立場の弁護士や代表者が、リース会社とやりとりして車を引き取ってもらいます。

3 車検証上の所有者がローン会社や車屋さんで、車のローンが残っている場合

 この場合も、ローンが残っている限り、車の所有者はローン会社や車屋さんであるのが通常で、会社が破産する限りローン会社や車屋さんに返還するのが原則です。

4 車のローンが残っていない場合

 ローンが残っていない車の所有者は会社ですが、会社は破産すると法人格がなくなってしまうので、破産管財人は車をお金にかえなくてはなりません。

 ですから、代表者が無条件で使い続けられるわけではありませんが、破産管財人から買い取る前提で使用し続けることは一般的に可能です。

 たとえば、車の値段を車屋さん等で相見積りをとり、5万円と7万円であれば、代表者やご親族が7万円以上を破産管財人に支払って購入することで、車を使用し続けることが可能になります。

5 ご親族の援助や連帯保証人が支払うことにより車を使い続けられる場合もある

 このように、ローンが残っていたりリースの車は、原則として使用し続けることはできませんが、たとえばご親族が約束どおりリース料を払い続けたり、ローンを一括で払う等して、使用し続けられる場合もあります。

6 まとめ

 会社の車がどのような扱いとなるかは、車の時価や使用し続ける必要性によっても判断が異なるケースがあり、まずは依頼する弁護士に希望を伝えていただき、実現可能な方法を一緒に検討していくことになります。

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