会社破産と連帯保証人

文責:弁護士 森田清則

最終更新日:2024年11月20日

1 会社が破産すると連帯保証人が一括請求を受ける

 会社の債務は個人の債務と比べても高額であり、特に銀行やリース会社の債務については、会社代表者やその家族が連帯保証人となっているケースが多いです。

 会社が破産をすれば、債権者から連帯保証人へ原則として一括の請求がいくことになります。

2 連帯保証人が請求を受ける金額

 連帯保証人が請求を受ける金額は、原則として債務額の全額です。

 もし破産した会社に財産がある場合、それを換価して債権者に配当が行われることで、債務額が減る可能性はあります。

 しかし、配当が行われるだけの財産が会社に無い場合も多いですし、配当が行われたとしても従業員の未払給与や税金の支払いに優先して充当されるため、金融機関等の一般債権者にまで十分な配当が行われるケースは稀です。

3 連帯保証人の債務整理

 会社破産により連帯保証人が負う債務は高額である場合が多く、分割にしたとしても返済の目途が立たず、自己破産を選択せざるを得ないというケースがほとんどです。

 連帯保証人は、自己破産の他に、個人再生や経営者保証に関するガイドラインの申請を行うこともできます。

 ただ、個人再生を行うと思うと、安定した収入があり、将来にわたって債務を分割返済していくことが可能であると示す必要があります。

 経営者保証に関するガイドラインを利用する場合でも、全債権者の同意が必要となりますので、通常の場合は一定の返済を行うことになります。

 そのため、会社代表者で会社破産によって失業した場合は、早期に新しい仕事を見つけ、安定収入を確保することが重要です。

4 連帯保証人の財産

 連帯保証人が債権者から請求を受け、それを支払うことが出来ない場合、裁判等を起こされ、連帯保証人が所有している不動産を競売にかけられたり、預金や給料の差押えを受けたりすることがあります。

 連帯保証人が自己破産を行う場合は、時価20万円を超えるような目ぼしい財産は取られてしまうことになりますが、連帯保証人が個人再生や経営者保証に関するガイドラインを行う場合、自宅等の財産も残すことが出来る可能性があります。

 連帯保証人が保証債務の請求を受けた場合は、債権者から裁判等を起こされる前に、早期に弁護士に相談することをおすすめします。

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